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画像班

研究領域
    近年,コンピュータ技術の進歩により,画像処理の技術は,多くの産業分野に使用され, 今後さらに高度な情報通信技術として発展していくと考えられます.また,デジタルカメラの低価格化やカメラ機能付きの携帯電話の普及により,風景や構造物を撮影する機会が増加しています. 画像処理班では,デジタルカメラやデジタルビデオカメラで撮影した画像を解析することで,新たな知識を取得することを目的とし,以下の3つの研究分野の研究を進めています.
研究事例
距離画像センサを用いた 構造物の差分検出に関する研究
     近年,国土交通省の推進によって,道路や橋梁などの構造物におけるアセットマネジメントが実施されている.アセットマネジメントでは,構造物の腐食や塗装剥げ,及びひずみや変形などの経年変化をいち早く把握し,最も費用対効果の高い修繕計画を策定することが必要となる.しかし,経年変化の把握には,検査員による目視確認が必要であるため,手間が掛かる.そこで,本研究では,まず,大規模な構造物の経年変化を検出するために,距離画像センサから取得した画像群と距離画像群からパノラマ画像とパノラマ距離画像を生成する.次に,過去と現在のパノラマ画像とパノラマ距離画像における構造物を位置合わせする.最後に,構造物の色情報と3次元情報を比較することで,構造物の色情報と3次元情報の経年変化を検出する手法を提案する.
ビデオカメラを用いた高速物体の画像トラッキングに関する研究
     動画像を用いて移動する対象の位置や姿勢を追跡する問題は,コンピュータビジョンにおいて最も重要な研究課題の一つである.しかし,従来研究の多くは,露光時間と露光時間の間のごく僅かな時間でも相当量移動するような高速かつ自由に運動する物体に関してあまり考慮されていない.この問題を解決するにあたって一番簡単な方法は,時間分解能に優れたハイスピードカメラを用いることであるが,非常に高価であるため,誰もが簡単に利用できない.そこで,本論文では,高速に移動する物体が1フレームを撮像している間にも動き続けることによって発生する動きボケを解析して1フレームから運動推定する方法を提案する.また,本論文では追跡技術を利用した応用研究にも取り組む.具体的には,追跡が困難とされているボールを扱うスポーツを対象に,ボールと競技者をそれぞれ追跡することで,状況を解析し,「誰が」「どうすべきか」という戦術を競技者に提示する手法を提案する.なお,今回対象とする競技は,競技人口が多く幅広い年代に親しまれているテニスのダブルスとする.
距離画像センサを用いたバレーボールの戦略分析支援に関する研究
     近年,我が国では新たなスポーツ文化の確立を目指し,生涯スポーツ社会の実現や国際競技力向上に対する様々な取り組みが推進されている.そこで,スポーツ医科学の観点やスポーツ情報学の観点から,競技者,監督やコーチらスタッフを支援するための研究が盛んに行われている.特に,情報機器を用いたスポーツ支援では,相手の弱点を見抜き,また,自分の弱点を客観的に見直すことで試合を有利に進めることを目的としたゲーム分析が行われている.ゲーム分析では,練習や試合などを撮影し,撮影した映像から得た情報を分析することで戦略を組み立てるのが一般的である.しかし,競技に対する知識が不十分な場合,正しい分析を行うことができない.また,知識が十分であっても,分析には多くの時間がかかるという問題がある.  そこで,バレーボールをターゲットとし,映像からの戦略分析を支援するためのシステムの構築を目指し,手動で試合状況を入力することで,従来よりも容易に効果的な分析を行うことが可能となるビデオ映像からのゲーム分析支援システムを開発してきた.しかし,これにはチームスポーツの分析に必要不可欠な選手の位置などのプロパティ情報を手入力しなければならず,分析に手間がかかる.そこで,この手間を軽減するために,カメラ設置の手間が少なく,オクルージョンに頑健な人物抽出が可能な距離画像センサを用いて,コート上の選手を抽出・追跡し,選手位置を自動取得するシステムを開発する.
距離画像センサを用いた人物の流動情報計測に関する研究
     人や物の交通流動情報は,交通計画やエリアマーケティングなどの都市計画を行 う場合の社会基盤情報として広く利活用されている.しかし,交通流動情報の取 得には,アンケート調査や目視による計測が行われているが,いずれも多大なコ ストが生じる問題があります.そこで,本研究では,人物に焦点を当てて,既存 手法としてレーザセンサとデジタルビデオカメラの特性を加味した距離画像セン サを用いることで,難しい撮影環境やオクルージョンが生じる環境下においても ,属性情報を付与した人物の流動情報の計測を実現しました.
動画像からの海面流速流方向の計測に関する研究
     海岸における海流の速度や方向は,埋め立てや海岸堤防の設置を検討する際に非 常に重要な要素となります.海面における流速の計測にはドップラー効果を用い たレーダ装置などが一般に用いられていますが,導入コストが高く,複数台の設 置が難しいため,広範囲の海流を計測できない問題があります.そこで,本研究 では,一般的なデジタルビデオカメラで撮影した海面の動画像の各フレームに対 して,東京箇所の抽出を行い,面積相関を用いて特徴箇所のフレーム間移動量を 算出します.そして,ビデオカメラの位置情報を用いて画像上の移動量を実速度 に変換し,移動方向と共に表示することで,海岸における海面の秒速および流方 法を把握できるシステムの研究開発を行いました.
多様な動作からの異常動作の検出に関する研究
     近年,治安の悪化に伴い,様々な場所に監視カメラが設置されています.しかし ,監視カメラの膨大な映像を全て人手で監視することは難しいため,映像から自 動的に異常動作を検出する研究が注目されています.過去の既存手法では,ロバ ストな異常動作の検出だけでなく,様々な場面で異常動作の検出を行えない問題 があります.そこで,本研究では,正常動作に着目し,異常動作を精度良く検出 する手法を提案します.具体的には,個々の移動体に着目し,類似した正常動作 ごとの特徴となる解空間を見出し,その解空間ごとに異常動作の検出を行います .さらに,画面中の全移動体の急激な動作変化を検出することにより,正常動作 に応じた異常動作の検出を行います.
撮影環境にロバストな背景画像生成システムに関する研究開発
     風景や建物を写した背景画像は,シュミレーションソフトやコンピュータグラフィックスなどの景観画像や絵葉書など様々な利用用途が考えられます.一般に背景画像は,風景や建物の前に移動体が写りこまないように撮影することが望ましいです.しかし,撮影場所が人通りや交通量が多い場所で合った場合,移動体が写り込んでない画像を撮影することは困難です.そこで,本研究では,市販のデジタルビデオカメラで撮影した動画像から誰もが容易に移動体を除去した背景画像を生成するシステムを実現しました.  
多段階識別を用いた工事写真からの手書き文字認識に関する研究
     公共事業で実施される電子納品において,土木設計業務等の電子納品に関する運用指針, 工事完成図書の電子納品要領やデジタル写真管理情報基準が策定されるなど, 受発注者間でのデータ交換の効率化を目的とした建設情報の標準化が行われてきました. 特に,公共事業における成果品であるデジタル写真の中には, 多くの写真情報が電子納品の項目として記載することが義務付けられています. しかし,デジタル写真の写真情報では,人が目視で取り出して記載する必要があるため, 入力時の誤りの誘発や時間的なコストが掛かるといった問題が生じています そこで,本研究では,電子納品物である工事写真から文字を抽出し, 文字の識別を行うことで写真情報を自動的に抽出する手法を提案しました.
特徴点部分一致を考慮した遺物復元に関する研究
     遺物の復元は専門家の手によって手作業で行われています.しかし,数多くの破片には組み合わせが無数あり, 専門家の知識や経験においても復元は容易ではありません.また,復元中に破片を損傷する危険や復元に 時間がかかる問題があります.そこで,コンピュータグラフィックスの技術を用いて,形状に規則性がない場合や特徴点を正しく得る ことができない場合でも,コンピュータ内部で破片をつなぎ合わせ,遺物を元の形状に自動復元するシステムを開発しました.
テニスのダブルスにおける戦術習得支援システムの研究開発
     テニスのダブルスにおいて,状況に応じた最適な戦術を採ることは重要です.戦術を習得するためには, 指導者の助言が効果的ですが,近年,指導者が不足しており,選手は十分な指導を受けることができません. そのため,教本を用いことが多くなっています.しかし,教本に書かれている状況を再現し,比較することは困難なため, 実際の映像から戦術を習得するための仕組みが望まれています.そこで,ダブルスの映像を解析し,状況に応じた守備側と 攻撃側の双方の最適な戦術を提示するシステムを構築しました.